寝台に眠る奇跡
♥️クリス×エッツェルの365日スローライフinセラ村シリーズ
♥️まだ身体の関係に(ギリギリ)至ってない二人の小話です
セラ村の夜は漆黒の帳に包まれていた。
クリスが寝室の扉を開けた瞬間──蝋燭の仄かな灯りの中に横たわる影を見つけた。
「えっ」
声を荒てて抑える。そこにはエッツェルが眠っていた。
彼の長い赤髪が枕に広がり、シーツの上を彩っている。黒いローブがはだけ、薄紫の肌着が露わとなった細い肢体を辿ると、左右の指に光る指輪。それはまるで彼の聖域だった。
寝息は規則正しく、閉じられた瞼の下には長い睫毛の影が刻まれている。
「……嘘だろう?」
入口で立ち尽くしたクリスは思わず呟く。それは今日一日畑仕事に明け暮れていた自分には現実味がなさすぎる光景だった。
「いや、そうだよな……この部屋にベッドは一つしかないんだし」
足音を殺して近づく。ベッドサイドに立てば、彼の吐息が届く距離だ。戦場でも常に凛々しく聡明だったあの人が、自分の寝台でこんなにも無垢な顔を見せているなんて。
「くそっ……可愛いじゃないか」
独り言に赤面しつつも目が離せない。この姿を見られるのは自分だけ。
しかし同時に罪悪感も湧く。彼の亡き妻アーシェラの思い出が詰まった指輪が目に入るたびに……。
それでも、今この瞬間の奇跡を享受したい欲望が勝った。
「ん……」
気配を察してか知らずか、エッツェルが微かに身じろぐ。クリスは飛び退くように距離を取るが、幸い目を覚ましてはいない。
寝返りを打とうとしてローブが更にはだけ、捲れた下着から白い腹部が露わになった。
「おいおい……」
慌てて毛布を掛けると、その際に偶然エッツェルの素肌に触れてしまった。皮膚に吸い付くような滑らかさと温もりが指先に沁み込む。
瞬時に手を引っ込めるが既に遅い。胸の鼓動は否応なしに高まる。
(これはダメだ……我慢できるわけがない……)
本能が暴れ出す寸前で理性が警告を鳴らす。相手は無防備な睡眠中の姿だ。それに昨夜は遅くまで書斎で魔道研究に励んでいたようだった。ならば今夜は……
(いや、我慢だ我慢……。ゆっくり休んでもらわないと)
クリスは大きく深呼吸し、エッツェルに背を向けながらベッドの端にそっと身体を横たえた。
エッツェルの体温で既に暖められた狭い空間。二人の間には拳一つ分の距離がある……これ以上近づけば自制心が崩れる危険性が高い。
それでも規則正しい寝息や時折漏れる微かな呻き声は、容赦なく鼓膜を刺激してきた。
(こうやって一緒に眠るだけで……満足しておかないと)
そう思って気を落ち着ける。今はただ彼と同じ空間を共有できる幸せを噛みしめながら、クリスは固く目を閉じた。
何故エッツェルがわざわざ自分の寝台で寝ていたのか――その真意に薄々気付いていながら、指に光る指輪の存在がまるで彼を守る結界であるかのように感じ、慎重になってしまう。
その二つの指輪を彼が目の前で抜き取る幻想を抱きながら、必死に眠りを貪ろうとする。
夜が更けゆく静寂の中で、柔らかなシーツに横たわる二つの鼓動だけが微かに時を刻んでいた。
夜半過ぎ、ベッドの端で岩のように動かないクリスの寝息が深くなった頃──エッツェルの長い睫毛が微かに震えた。
薄く開かれた紫眼に、青い後ろ髪が映り込む。
「……まったく………。」
声にならない吐息が漏れた。
自分より一回り大きなクリスの体躯。それはベッドの半分を占領しているはずなのに、不思議と窮屈さは感じられない。むしろ端へ端へと逃げるように丸まった背中。
この若い男の奥手な純朴さが時には愚かしく映ることもある──しかしそういう浮世慣れしないところが愛しく思えるのも事実。
「もっと素直に手を出してくれよな……」
呟きながら身を起こしかけるが途中でやめた。せっかくクリスが自制を保っているのを起こしてまで事に至る程、渇いてはいない。しかし、それではわざわざこの男のベッドに潜り込んだ意味が薄れる。
エッツェルは緩やかに体勢を変えた。硬い骨格を覆う柔らかな腰つき。そのしなやかな肢体を伸ばし、クリスの方へにじり寄る。
指先で逞しい背筋に触れれば、温かく張りのある筋肉の熱を感じる。手の平を添えたまま、次に彼の膝裏に自らの膝を沿わす。太腿、腰……最後は肩口に顔を近付けぴたりと寄り添えば、互いの体温が伝わり合った。
エッツェルは思わず息を詰める。こんな添い寝紛いの動作をしただけなのに、鼓動は明らかに高鳴っていた。
「……起きない、か……?」
問う声は温かな呼気となってクリスの寝巻きのシャツに吸い込まれた。頬を押し当てた肩の逞しさ。
もしこの若い身体に抱かれたならば。……それは最高の安息と共に、最大の後ろめたさをもたらすだろう。指輪に残るアーシェラの面影と今の自分が抱える葛藤。
しかしそんな暗い思考も束の間──クリスの熱い体温が染み込むように全身を満たしていく。それは如何とも離れがたい感情を引き起こす。
ふとクリスは小さく身じろぐとエッツェルの方に寝返り、腕が何かを求めるように動いた。太い腕は密着するエッツェルの背中へ回る寸前で止まり、宙を彷徨ってそのまま落ちる。
「おまえも、欲しいくせに……」
嘲るように囁くと同時に意図的にクリスの方へ体重を預けた。下腹が密着し、腰骨の角がクリスの腹斜筋の窪みにぴたりと沿う。
「………はぁ………っ……」
これ以上ない一体感にエッツェルの唇から甘い溜息が漏れた。
「ん……?」
クリスが微かに唸るが起きる気配はない。エッツェルはほくそ笑むとさらに大胆な位置へ身を委ねていった。臀部がクリスの軽く曲げられた大腿筋に乗せられ、最も敏感な部分が硬く張りのある筋肉に接する。
「ふ………。これが……俺の答えだぞ……?」
誰に言うでもなく宣言するとエッツェルは最後に一度だけ大きく息を吸い込む。クリスの陽光を吸収した雄の匂いが肺腑を満たす。それはどんな香油や媚薬よりも深く、官能を刺激した。
次第に意識が遠のいていく中でエッツェルが感じていたのは確かな充足感──たとえクリスが朝まで目覚めなくても構わない。ここには確かに、求めて止まない熱があるのだから。
END
はい。いや、ただベッドで添い寝する二人が書きたかっただけ!w
エッツェルが指輪外してないのは勿論わざとだし、それを言うなら下着一丁でベッドに潜り込んでるのもわざと。しかしクリスはそんなエッツェルに奇跡を見るのだった。ズコーッ!指一本触れてこないクリスのせいでエッツェルが不憫なので、こっそり大胆にさせておきました。
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#クリエツ #365スローライフ
♥️まだ身体の関係に(ギリギリ)至ってない二人の小話です
セラ村の夜は漆黒の帳に包まれていた。
クリスが寝室の扉を開けた瞬間──蝋燭の仄かな灯りの中に横たわる影を見つけた。
「えっ」
声を荒てて抑える。そこにはエッツェルが眠っていた。
彼の長い赤髪が枕に広がり、シーツの上を彩っている。黒いローブがはだけ、薄紫の肌着が露わとなった細い肢体を辿ると、左右の指に光る指輪。それはまるで彼の聖域だった。
寝息は規則正しく、閉じられた瞼の下には長い睫毛の影が刻まれている。
「……嘘だろう?」
入口で立ち尽くしたクリスは思わず呟く。それは今日一日畑仕事に明け暮れていた自分には現実味がなさすぎる光景だった。
「いや、そうだよな……この部屋にベッドは一つしかないんだし」
足音を殺して近づく。ベッドサイドに立てば、彼の吐息が届く距離だ。戦場でも常に凛々しく聡明だったあの人が、自分の寝台でこんなにも無垢な顔を見せているなんて。
「くそっ……可愛いじゃないか」
独り言に赤面しつつも目が離せない。この姿を見られるのは自分だけ。
しかし同時に罪悪感も湧く。彼の亡き妻アーシェラの思い出が詰まった指輪が目に入るたびに……。
それでも、今この瞬間の奇跡を享受したい欲望が勝った。
「ん……」
気配を察してか知らずか、エッツェルが微かに身じろぐ。クリスは飛び退くように距離を取るが、幸い目を覚ましてはいない。
寝返りを打とうとしてローブが更にはだけ、捲れた下着から白い腹部が露わになった。
「おいおい……」
慌てて毛布を掛けると、その際に偶然エッツェルの素肌に触れてしまった。皮膚に吸い付くような滑らかさと温もりが指先に沁み込む。
瞬時に手を引っ込めるが既に遅い。胸の鼓動は否応なしに高まる。
(これはダメだ……我慢できるわけがない……)
本能が暴れ出す寸前で理性が警告を鳴らす。相手は無防備な睡眠中の姿だ。それに昨夜は遅くまで書斎で魔道研究に励んでいたようだった。ならば今夜は……
(いや、我慢だ我慢……。ゆっくり休んでもらわないと)
クリスは大きく深呼吸し、エッツェルに背を向けながらベッドの端にそっと身体を横たえた。
エッツェルの体温で既に暖められた狭い空間。二人の間には拳一つ分の距離がある……これ以上近づけば自制心が崩れる危険性が高い。
それでも規則正しい寝息や時折漏れる微かな呻き声は、容赦なく鼓膜を刺激してきた。
(こうやって一緒に眠るだけで……満足しておかないと)
そう思って気を落ち着ける。今はただ彼と同じ空間を共有できる幸せを噛みしめながら、クリスは固く目を閉じた。
何故エッツェルがわざわざ自分の寝台で寝ていたのか――その真意に薄々気付いていながら、指に光る指輪の存在がまるで彼を守る結界であるかのように感じ、慎重になってしまう。
その二つの指輪を彼が目の前で抜き取る幻想を抱きながら、必死に眠りを貪ろうとする。
夜が更けゆく静寂の中で、柔らかなシーツに横たわる二つの鼓動だけが微かに時を刻んでいた。
夜半過ぎ、ベッドの端で岩のように動かないクリスの寝息が深くなった頃──エッツェルの長い睫毛が微かに震えた。
薄く開かれた紫眼に、青い後ろ髪が映り込む。
「……まったく………。」
声にならない吐息が漏れた。
自分より一回り大きなクリスの体躯。それはベッドの半分を占領しているはずなのに、不思議と窮屈さは感じられない。むしろ端へ端へと逃げるように丸まった背中。
この若い男の奥手な純朴さが時には愚かしく映ることもある──しかしそういう浮世慣れしないところが愛しく思えるのも事実。
「もっと素直に手を出してくれよな……」
呟きながら身を起こしかけるが途中でやめた。せっかくクリスが自制を保っているのを起こしてまで事に至る程、渇いてはいない。しかし、それではわざわざこの男のベッドに潜り込んだ意味が薄れる。
エッツェルは緩やかに体勢を変えた。硬い骨格を覆う柔らかな腰つき。そのしなやかな肢体を伸ばし、クリスの方へにじり寄る。
指先で逞しい背筋に触れれば、温かく張りのある筋肉の熱を感じる。手の平を添えたまま、次に彼の膝裏に自らの膝を沿わす。太腿、腰……最後は肩口に顔を近付けぴたりと寄り添えば、互いの体温が伝わり合った。
エッツェルは思わず息を詰める。こんな添い寝紛いの動作をしただけなのに、鼓動は明らかに高鳴っていた。
「……起きない、か……?」
問う声は温かな呼気となってクリスの寝巻きのシャツに吸い込まれた。頬を押し当てた肩の逞しさ。
もしこの若い身体に抱かれたならば。……それは最高の安息と共に、最大の後ろめたさをもたらすだろう。指輪に残るアーシェラの面影と今の自分が抱える葛藤。
しかしそんな暗い思考も束の間──クリスの熱い体温が染み込むように全身を満たしていく。それは如何とも離れがたい感情を引き起こす。
ふとクリスは小さく身じろぐとエッツェルの方に寝返り、腕が何かを求めるように動いた。太い腕は密着するエッツェルの背中へ回る寸前で止まり、宙を彷徨ってそのまま落ちる。
「おまえも、欲しいくせに……」
嘲るように囁くと同時に意図的にクリスの方へ体重を預けた。下腹が密着し、腰骨の角がクリスの腹斜筋の窪みにぴたりと沿う。
「………はぁ………っ……」
これ以上ない一体感にエッツェルの唇から甘い溜息が漏れた。
「ん……?」
クリスが微かに唸るが起きる気配はない。エッツェルはほくそ笑むとさらに大胆な位置へ身を委ねていった。臀部がクリスの軽く曲げられた大腿筋に乗せられ、最も敏感な部分が硬く張りのある筋肉に接する。
「ふ………。これが……俺の答えだぞ……?」
誰に言うでもなく宣言するとエッツェルは最後に一度だけ大きく息を吸い込む。クリスの陽光を吸収した雄の匂いが肺腑を満たす。それはどんな香油や媚薬よりも深く、官能を刺激した。
次第に意識が遠のいていく中でエッツェルが感じていたのは確かな充足感──たとえクリスが朝まで目覚めなくても構わない。ここには確かに、求めて止まない熱があるのだから。
END
はい。いや、ただベッドで添い寝する二人が書きたかっただけ!w
エッツェルが指輪外してないのは勿論わざとだし、それを言うなら下着一丁でベッドに潜り込んでるのもわざと。しかしクリスはそんなエッツェルに奇跡を見るのだった。ズコーッ!指一本触れてこないクリスのせいでエッツェルが不憫なので、こっそり大胆にさせておきました。
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#クリエツ #365スローライフ