【開発長谷部】

大好きな主のためにエネマグラで前立腺を開発して主とラブラブセックスしたい長谷部の話。
主♂×長谷部だけどベクトルは完全に長谷部→主。
モブに近いオリジナル審神者、メタ発言、淫語、?喘ぎ、淫乱メスへし注意。
後半へ行けば行くほど長谷部のキャラが崩壊してます。すいません。


へし切長谷部は、この本丸へ三番目にやって来た刀剣だった。
「主命とあらば、何でもこなしますよ。」
そう自信たっぷりに長谷部が現れた時から、宣言通り自慢の機動を生かして戦で次々と活躍を見せた。まだ短刀と打刀が数振りの部隊において長谷部の働きは頭一つ抜け出ていため、審神者である主の誉を得たのは数知れず。
いつしかへし切長谷部はこの本丸に居た刀剣を差し置いて、近侍の命を務める様になっていた。

「主、ただ今出陣から戻りました。得られた刀剣は、薬研、陸奥守、…、…、…です。そして道中に玉鋼を拾いました。敵の本陣にて刀装は少し傷つきましたが、本体に傷を負った者はいません。」
「ああ。長谷部、ありがとう。これからもその調整で頑張ろうな。」
若い男の審神者がにぱっと微笑むと、長谷部の周りに桜の花弁が舞った。
「お任せ下さい。主の命とあらば、容易いことです。」
「長谷部はホントに頼りになるなー。よしよし。」
審神者が手を伸ばし、正座して低くなった長谷部の頭をポンポンと撫でる。
「主……。」
大きな手の温もりを直に感じた長谷部が、嬉しそうに目を細めた。
こんな風に人に触れられるのは、幾年ぶりだろうか。
「はは。長谷部、俺に撫でられるの好きだなぁ。桜すごい舞ってるぞ。」
「――は、すみません。散らかしましたね。すぐに片付けを…」
「いいって。どうせ数分もしたら消えるんだ。不思議だよなぁ。」
これまで物言わぬ刀であった自らに人間の器を齎してくれた審神者に、長谷部は絶対の忠実を寄せていた。
「長谷部は、他に人の身体を得てから困ったことや変わったことはないか?何かあったら何でもすぐ俺に言うんだぞ。いいな?」
「勿体無いお言葉です、主。」
この若い男の審神者は姿形こそいかにも現代人といった様子で、刀剣たちに対してもくだけた態度であったが、こうして刀剣のことを大切に想い、扱ってくれていることを長谷部は知っていた。
そんな審神者へ長谷部がにこりと微笑みを返すと、審神者が「あ~、へしかわ!!」と謎の言葉を発しながら頭を抱えるのも、見慣れた光景だった。






数ヶ月後――

「…主。今日は出陣の命は下さらないのですか。」
「うん、ちょっとなー。」
昼を過ぎても、審神者は文机の上の四角い電子媒体に向かったままで、動画、と呼ばれるものをずっと眺めている。
長谷部が本日何度目かに審神者の部屋を訪れた時、畳の上に空の菓子袋が落ちているのが目に入ったため、散らばっていた食べカスと共に屑篭へ入れた。
「あ、へし。ありがとう。」
「長谷部です。…主、間食はいいですが…。本日の出陣は…。」
「はいはい。また後でな」
「では、命を下さるまでこちらでお待ちしています。」
「うおっ?!」
長谷部が審神者の横に座する。と、審神者が少し慌てた様子で見ていたはずの動画を消している。
「どうされたのです、主…?……まさか、またいかがわしいものを…?」
「おっ、流石だなあ長谷部。気づいたか。」
ポリポリと頭を掻きながら、少し前屈みになって姿勢の崩れた審神者が長谷部に照れた顔を向ける。
「主。まだ日の高いうちからそのような。…。」
「悪いって、長谷部。大丈夫、他のやつらには見せねぇし。これだけチェックしたら出陣してもらうから。」
と言いつつ、開き直った審神者は再び画面に目を落とした。
審神者も若い男なのだから、仕方がない事なのかと長谷部は身を竦めるしかない。
「おっ、新作発表のメールが来てる」
動画を流し見ながら今度は電子文を読みはじめる審神者の姿に、今日も出陣はせず遠征や鍛刀の命のみで終わりそうだと長谷部は感じていた。






数日後――ー

「主、文をお持ちしました。……。」
最近、審神者が本丸を空けることが多くなった。日本号を迎えて数回の出陣を経て以来、めっきり顔を合わせていない。
返事が返ってこない審神者の部屋の障子を開け、中に入る。文机には、封を切られない手にしたものと同じそれが重なっていた。
今日の文をその上に置くと、長谷部は納戸から持ってきたハタキを手にして埃を払っていく。
手慣れた様子で床の間や柱、障子の桟の埃を払うと、手箒で畳を掃いた。
主がいつ戻ってもいいように、ここを万全の状態にしておくのが最近の長谷部の日課だった。
「主……。」
やがて清掃を終えた長谷部は、審神者の居ない空いた座布団の横にいつも通り正座する。積まれた文の量を見るに、こんなに長い期間ここを空けるのは初めてかもしれないと長谷部は感じた。
審神者としてはそんなに褒められた態度でも無かったが、しかしいよいよ、彼は刀剣に興味を無くしてしまったのかも知れない。もはや長谷部が遠征で誉を手に戦場から帰還することすら、久しくなってしまった。
「待てと言うならいつまでも…迎えに来てくれるのであれば…。」
ぽそりと長谷部の口からいつもの言葉が漏れる。呟いたそれは数知れなかったが、しかし数日もすれば審神者は必ず迎えに来てくれた。だから今回も、という望みだけで、長谷部は近侍としてこの本丸を保っていることが出来た。現世でもそうだ。人の気持ちは移ろいやすい。元より物の身体であるので、待つことには慣れている。
その長谷部の目に、ちらりとあの審神者がよく触っていた電子媒体が目に入った。見れば、まだ電源が通っているようで、ごく小さな灯りが仄かに点滅している。
(これでは、えれきてるで中身が消耗してしまう…)
長谷部はそれに手を伸ばすと、ぱかりと蓋のような上部を空け、しゃっとだうんを試みる。何度か頼まれた事があったから、容易いことだと思っていた。
「?!これは……」
画面の鍵を解除して長谷部の澄んだ藤色の瞳に映し出されたのは、動画いっぱいに広がる女の肌。卑猥なポーズが過激に強調されるそれは、まぐわいの最中だろう。
長谷部は知らなかった。人のパソコンの中身を安易に見てはならない事を。
(それを教えずに審神者がその画面のまま放置していたのが明らかに良くないのだが。)
慌てふためいた長谷部はバタリと勢いよくその画面を閉じた。こんなもの自慢の懐刀で圧し切ってしまえば良いが、主の大事なものであろうそれを無下に扱うことは出来ない。戻られた時に落胆されるだろう。
「仕方ない…何とか操作を…。」
腹をくくった長谷部は再び呼吸を整え、恐る恐る四角い画面を持ち上げる。ぱすわーどと呼ばれるもの(審神者の誕生日)を入力して、蒲鉾のような大きな出っ張りを押さえると、やはり肌色一色の画面が映し出される。くねくねと動くそれは目も当てられない。長谷部とて刀であった時に閨での情事を目にした事が無いわけでも無かったが、こんなに明るいところで致しているのを見るのは初めてであり、色々と直視出来ないものが丸見えなのが始末に困った。
「確か…これを消すには……」
指で画面の右上にあるバツ印に触れる。一瞬白くなったそれが、しかしまた裸体を映して更に増えていき、一向に消えない。
「くっ……主はこんなものを好かれるのか…。」
女体が縄で縛られている画や、男の巨大な逸物を咥えて顔を白い汁に塗れされた画が次々と映し出される。長谷部の機動をして、それらは一瞬で消されていくが、束縛、快感地獄といった文字が否応無く目に留まってしまう。
「ん?これは…、電子文か…?」
やっと卑猥な画を消し去ったと思いきや、今度は未読として太く強調されためーるが画面を埋めている。そう言えば、審神者は贔屓にしているというあだるとぐっず専門店からのめーるチェックを欠かさなかった。たまにこの機械で物品を注文していた様子で、中身こそ見せてもらった事はないが、小包が届くのをそれは楽しみにしていた。
「取引で懇意にしていたのなら、注文が途絶えてお得意先も困っているのではないか…?」
とりあえず、長谷部は未読のそれを開いておこうと画面をたっぷする。
そこに現れた、新作ぐっずの紹介という見出しに目が留まる。主は新作とあらば目を光らせて必ず購入をしていた。長谷部はその内容を読み進めていく。
「男の、潮吹き…?主はそんな事に興味があられたのか…?」
主が衆道を好む素振りは長谷部がいる前で見せなかったが、前の主のようにやはり嗜みがあるのだろうか。
ざっと読んだところ、そのぐっずを使用すれば性感を高めることが上手く出来るというようなことが書かれている。
「ふん、主…このような物の力を借りずとも…俺が……」
そう口をついた言葉に、はたと長谷部が硬直する。
「俺が……主に、…………」
刀である自らが、主に何をするというのか?
長谷部は自らを大切にしてくれる主のことが好きだったが、もちろん主と閨を共にしたり、夜伽をしたことはない。あくまで、刀剣の本分は戦で敵を斬ることでしか主に報いることはない。
しかし人の身を得た今ならば、別の形で主の欲を満たすことも出来る筈だと、今になって長谷部は気付いた。
若い青年の主がここのところ姿を見せない原因は、ここではその欲求が満たされないからではないか。
「主……。でも俺は、斬ることしか知らない身…。」
そんな長谷部を、画面に記された限定販売やら、お急ぎ下さいという煽り文句が誘う。
このぐっずを手に入れ、使いこなすことが出来るようになれば、次に主が現れた時にまた刀剣への興味を取り戻してくれるやも知れない。
長谷部は、そんな一縷の望みを込めてその新作ぐっず…曰く、『男の潮吹きの為の前立腺開発道具一式』を購入していた。






さらに数日後――

「長谷部くん、現世から主に小包が届いているよ。…あれ、でも不思議だね。主はこの本丸に居ないのに、どうしてこっちに届けたんだろう。」
「近々戻られた時にお使いになるつもりなのだろう。貸せ。預かっておく。」
そう言うと長谷部は燭台切の持つ茶色の四角い箱をふんだくる。
「ああ、うん。よろしくね、長谷部くん。」
「気安く呼ぶな。貴様に言われなくとも、近侍である俺がしっかりと管理する。」
「はいはい。もう…長谷部くんは今の主の事となると肩の力入りすぎだよ…。」
スタスタと主の部屋へ向かう長谷部の後姿を見ながら、燭台切が苦笑した。

「……届いたな……。さて……中身を確認するか。」
いつもより障子をぴったりと閉めきり、周囲に他の刀剣の気配がないのを確認すると、長谷部は抱えていた箱をまず床の間に飾り、開封の儀を行なった。
箱の封を刀で圧し切ると、くしゃくしゃと丸められた塵紙の中に、お買い上げありがとうございますとの文言の文。その下に取扱い説明書と記された書を見つける。
「拝領致します。主……。」
しばらく長谷部は中に収められていた物品を確認しつつ、その内容を読み込んでいった。
「これが、ろーしょん……。そしてこれが、えねま、ぐら?珍妙な形だな…」
透明で固い膜に閉じられている白いそれをまじまじと見つめ、使用法に目を移した長谷部は目を白黒させた。
「なッ、これを、尻に…!!?」
思わず声を荒げてしまったが、主の部屋で事を荒げてはいけないと慌てて口を抑える。
(こんなものを、主に使う訳にはいかない…!)
やはりへし切るか、と刀に手をかけたが、それでは本末転倒、さらに主が次に戻ってきたら小判の無駄遣いをするなと叱られてしまうだろう。
一つ息を吐き、何とかその破壊衝動を制しながら書の内容を最後まで読んでいく。途中、赤くなったり汗をかいたり、出陣でも無いのに長谷部はひとり疲労ゲージを溜めることになった。
「ふん。成る程………。これを極めれば主の望む潮吹きが容易いというわけか…。」
しかし効果の程は?そしてこんな怪しいものを尻に入れて性感を得るなど、そもそも真実なのかと長谷部はまだ訝んでいた。
「ならば、実戦あるのみ…。」
主君に害をなすものは予め取り除いておくのが家臣の務めである。即ち、そのぐっずを主より先に試すのも近侍の務めだと理解した長谷部は、懐に開封したそれらのグッズを携え、開け放った空の箱を元の状態に戻すと、自室へと向かった。



長谷部の部屋と言っても、割り当てられていたのはすぐ隣の部屋である。時間はまだ朝日が昇って間もない頃だったが、長谷部は畳んであった敷き布団を再び広げた。
主が帰還されない時は刀剣同士で練習試合をする時以外、長谷部は武装を解いていたが、カソックだけはきっちりと着込んでいる。しかし今から行う事には不要だろうと、上着やカマーバンドの類を脱ぐと折り目正しく畳んでいく。
そうしてシャツと下着(審神者に拝領したボクサーパンツ)だけの姿になった長谷部は、広げた書を傍らに布団に横になった。
「…まずはこの、ろーしょんを開け…念入りにえねまぐらに塗す…。」
液体の入った柔らかい透明の瓶の蓋を捻り開け、指で側面を軽く圧迫するとトロリと内容物が溢れてきた。
冷やこいそれを敷き布へ溢れないよう慎重に指に絡め取ると、予想以上に粘ついていることが分かる。こんなものを直に肌に塗って良いものかと長谷部はまだ不審に思いながらも、書の記す通りえねまぐらの白い表面へ指で丹念に塗り付けていく。今のところ、とろろ芋のように皮膚が痒くなったりといった異常は見られないようだった。
「ン………。」
エネマグラの白い瘤を満遍なく濡らし終えると、下部に付いている蔓の先の輪っかに指を通した。持ち方を確認し、てらてらと朝日に光るそれをそっと秘部に近づけていく。ひやりと塗れた物体が薄い皮膚をなぞると長谷部は目を細めたが、見えにくいそこはその感触を頼りに狙いを定めるしかない。
(ここ…か…?)
求める穴にエネマグラの先端が当たったのを感じる。後は挿入するだけだと、長谷部が力を入れると、いよいよその表面が菊座に飲み込まれた。
「ぐっ……!痛ッ……!!」
しかし少し入ったところで穴が裂けるような痛みを感じ、長谷部は慌てて指にかけた輪っかを引き、えねまぐらを抜いた。
「ッ………くそッ!何故だ!……、ッ!うぐっ」
再びぬるつくそれを入れようと試みるも、長谷部の硬い粘膜の襞は進入を拒み、一寸も入る気配がない。
ハァハァと荒い息遣いが部屋に響く。
長谷部の額には汗が光っていた。
「………くっ…………!」
ついに長谷部は指にはまっていたそれを布団に放り捨てると、敷き布の上についた拳を悔しげに握りしめた。
「入らない、だと……」
再度、長谷部は書を広げた。『横になり、ローションで良く濡らしたエネマグラをゆっくりと挿入してみましょう…』しれっとそう書いてあるものの、痛みのせいでどうしても達成出来ない。もちろん長谷部の力を持って無理矢理に押し込むことは可能だろうが、確実に尻穴の粘膜が裂け、傷が付くだろう。注意書きにもその可能性が並記されている。手入れ部屋行きを長谷部は厭わないが、主の居ない本丸で近侍が手負いになるなど、あってはならない事だ。
「俺には、このぐっずを使う資格がないとでも…?……ハハッ、…だから?」
苛々を募らせた長谷部が布団に転がっている白いそれを、今度こそへし切るつもりで刀へ手を伸ばした。が、手の平に塗れたローションで柄が滑ってしまい、上手く握れない。
現世の怪しい物体のせいで自らの刀すら満足に振るえないと悟り、長谷部はその事実に初めて物としての敗北感を味わった。何であったとしても、物同士、負ける訳にはいかないというのに。悔しさで握りしめた敷き布に、幾重にも皺が寄った。
しかし長谷部にはもうどうすれば良いのか分からなかった。こういう時こそが、主が以前言っていた困った時なのであろう。
「そう言えば…」
以前にも長谷部がオムライスの作り方で困っていた時、主が電子媒体を使って料理の方法を教えてくれた事があった。何か分からないことがあるならこの箱を使えばすぐに分かると主は笑っていた。確かそうすることを『具々る』と言うらしい。
…つまり主のあの電子媒体を使えば、解決の糸口が見出せるかもしれない。
思うが早いか、ベタベタの手を敷き布で拭うと、目にも留まらぬ機動の速さで下着、シャツ、ズボン、カマーバンド、カソック、靴下、ソックスガーター、手袋…を身につけ、長谷部は審神者の部屋へ向かった。



夕餉を終え、湯浴みも済ませた長谷部は布団の上で再びエネマグラと対峙していた。
「今度は貴様などに負けはしない…首を洗って待っておくがいい。」
いくらか自信を取り戻したように戦線布告する長谷部の手にはローションと、着流しの懐から取り出した小さな綿付きの棒。いわゆる綿棒があった。
「拝領致します、主…。」
審神者の物入れにあったそれを、長谷部は持ち出してきたのだ。湯浴みの後などで審神者にそれを使って耳掃除をして欲しいとせがまれる事が多かったので、在り処を知っていた。
しかし今から綿棒を使って行うのは、耳掃除ではもちろんない。
ローションの蓋を開けた長谷部は、またそれを指に絡めると、股座へと手を伸ばす。下着は既に付けていない。
「ん……」
先ず、排泄器官である菊座に何か物を入れるためにはそこを充分に解さなければならない。そのような場所を弄った事などあるはずが無かったが、ググった情報を元に長谷部はぬるつく指を穴へそっとあてがった。硬く閉ざされている穴の周りの襞を人差し指の腹でそっと押しながら、ローションを馴染ませていく。
日が落ち暗くなった部屋に濡れた音が響き、長谷部は息を潜めた。
(ぅ……あ……こんな、ものか……?)
指で粘膜の弾力が少し解れたのを感じると、いよいよ綿棒にローションを垂らす。
「すぅ…はぁ……、すぅ……はぁ……」
呼吸を整えながら、濡れた綿棒を尻の穴に当ててしばらく待つ。すると先端の柔らかい綿が、勝手に襞の中心に引き込まれた。
「んぅっ……あ……入……っ……」
尻に挟まる綿棒に異物感を感じるが、痛みはない。ここで綿棒を決して押し込んではいけないらしい。細いそれが抜けないように手を添え、蠕動運動で綿棒が自然と奥へ飲み込まれていくのを待つ。
「ぅう……はぁ、すぅ……はぁ、あ、アッ……」
やがて、長谷部は直腸内の壁らしきところに綿棒の先がこつりと当たるのを感じた。
(ン……ここが、俺の前立腺、か……)
情報によると、その器官で性感を得るためには、しばらくこうやって綿棒で押さえて微弱な刺激を与える必要があるらしい。もちろん、その間に直接陰茎を触って自らを慰めたりしてはならない。
内壁に微かに感じる、当たっている感触だけに集中することが肝心だ。

「……………。」
長谷部が綿棒を挿入してから、既に半刻。じっと横たわったままの長谷部は、しかしまだ性感の高まりというものを感じてはいなかった。
(………本当に、これで合っているのか…?)
指に付いていたローションは空気に触れてすっかり渇いている。また痛くしてはならないと、長谷部はローションを足すため、綿棒から手を離す。その時、挿入していた綿棒が少し動いてしまった。
「ッ…?うァ……!?」
く、と僅かに内壁に綿棒の先端が擦れる刺激が、じいんと重く下半身に響いたのに長谷部は驚き、思わず裏返った声を上げてしまった。
「はっ………ぁ、何、だ、今の感じは……?」
こそばゆいような感覚に思わず身を捩ってしまうが、それは収まるどころか更に増大していく。
(これが……前立腺による性感なのか…?)
しかし、ここで焦っては元の木網だと、長谷部は綿棒をそっと後孔から抜き取ると、いよいよエネマグラに手を伸ばした。上からたっぷりとローションを垂らすと、輪っかに指を通す。また日中のような失態を繰り返す訳にはいかないのだ。
「…主の、ため……くっ……ンッ…」
白くて丸い先端が纏う冷たさに慄きながらも、長谷部はそれを受け入れるために力を抜いた。
「はぁ……っ、はぁ、はぁ……はぁ……」
(あぁ……入る………入って来る……!)
エネマグラの圧迫感は細い綿棒の比では無かったが、と言っても小さなそれを容易く飲み飲んだ穴に痛みもなく、ついに挿入することが出来た。
ゆっくりと、先ほどまで綿棒が当たっていた壁へそれを押し進める。
「……んんっ、……ンッ!?んぁッ!!」
こつ、と先が当たる感じの後、さっきよりも強い刺激が湧き上がった。
「ぅアッ、ア……!ひ、……っ、ハアッ、あ……!これが…ッ!前立、せ、ンンッ!!!?」
輪っかのある根本まで挿入した時、前に張り出した蔓の部分が会陰を圧迫した。それを引き金に、甘い痺れがどんどん下腹に溜まっていく。
「なッ、こん……ッ!!ぁ、ハァッ!…ンッ!あ、な、なぜだっ……!触っても、無いのにィ…!?」
いつの間にか長谷部の雄根はビクビクと質量を持って反り返り、あまつさえ先端から透明な我慢汁が糸を引いていた。今すぐにでも扱いて欲を吐き出したかったが、前立腺で快感を極めるにはそれを決してしてはいけないとあったので、伸ばしかけた左手をグッと握りしめ、耐える。
尻の中のエネマグラは直腸内の蠕動運動で勝手に動いて前立腺を叩き続け、快感を脳に送ってくる。さながら快感の無限地獄といったところか。
「ひっ、…ン!ァア、…気持ち、い……!?あ、主、あるじ…!」
普段他の刀剣に檄を飛ばしている長谷部からは考えられないような艶めいた声で、長谷部は主を呼んだ。するとガクガクと腰が痙攣し、長谷部は堪らずペニスの根本を押さえる。
「アッ…ア――ッ!?…!イく…!アッ…!ある、じッ…!!」
これまで感じたこともない程の強い快楽の波に爪先まで反り返った長谷部は、エネマグラをギュウギュウと圧迫しながら白濁を迸らせた。太腿を超えて敷き布にまでそれが散っていく。
「アアアアァッ!!!イッて、りゅ、のに…気持ひ、の……とまら、にゃ!?ァアア!ァア――ッ!!!!」
パチパチと白い閃光が長谷部の前で弾けた。声を抑えることもできない程の快感に長谷部は身を震わせてそれを享受するしかない。
「アッ、アッ、し、しぬ…!?も、破壊、しゃれ……!?ヒィンッ!!ありゅ、主!お助け…くりゃ、アッ!!ア――――ッ!!!!!」
藤色の潤んだ瞳から生理的な涙がはらはらと流れ、泣き声混じりの悲鳴を長谷部が上げた後、急に目の前が真っ暗になった長谷部はそのまま意識を手放した。

ハッと長谷部が瞳を開けると、また下肢にズンとした痺れが復活する。入ったままのエネマグラのせいだと気付くと、慌てて輪っかを引いてそれを抜いた。ぽとりと小さなそれは敷き布に放られる。
「ハァ…ハァ………。なんて物を………現世の人間は……拵えたんだ………?」
あっという間に長谷部を快感地獄へ陥れてしまったそれが、何やら禍々しい力を秘めているのではないかとすら感じる。
確かに長谷部に前立腺で快感を得る才能があったとしても、我を忘れるほどに喘ぎ、みっともなく泣き叫んでしまう程とは全く以って想定外であった。
こんな情け無い姿を主が見たらどうなるか……。
「そうだ、潮、潮吹きは……」
すっかり意識を手放してしまった為、そこまで気が回らなかった事に気付いた長谷部は、再び敗北感に身をやつした。
「クソッ…!!」
一度ならず二度までの失態に、敷き布へ拳を叩き付ける。
(こうなったら……毎日、貴様を圧し切ってやる……!この、尻でな…!)
主を想うが故の思考が、どんどんおかしな方向へ向かっていくことに長谷部はまだ気付いていなかった。

長谷部が現世から例の道具を手に入れてから、一週間。ついに主が本丸に姿を見せた。
思い思いに喜びを表す刀剣たちをかわして、審神者は自室へと直行した。
「長谷部、どこだ!?」
「はい、ここに居ますよ、主。」
審神者の座る座布団の横に、いつも通り正座で控える長谷部の姿があった。
「それで、今日は何を切ればいいんです…「そんな事より!!」
長谷部の言葉が終わらない内に、審神者が叫んだ。はた、と長谷部が不思議そうに審神者を見つめる。
「なあ、長谷部……。この前、俺のところに見覚えのないカード請求があったんだが…お前、何か知らないか?」
「はい。……この長谷部が、主の代わりにお得意先のあだるとしょっぷから、新製品を購入致しました。」
「やっぱりお前か……。」
「何か不都合でも?」
「そりゃ、給料日前に5kもする請求が来たら驚くっつうの。ん?アダルトショップ???長谷部お前、何買ってくれたんだ?」
すると長谷部が立ち上がり、床の間に置いてあった段ボール箱を手に審神者に近づいた。
「ご所望のお品をお持ちいたしました。」
「おう。俺は新製品ってこと以外知らんけどな。さぞ良いもんが入ってるんだろうなぁ?。」
値段からして、良質なオナホか。それともBluetooth搭載のバイブか。
そんな期待を胸に、ぱかりとその蓋を開けた審神者の目が、点になる。
さすがの長谷部も、硬直する主の様子に不穏な空気を感じ取ったようだ。
「あの、主……」
「長谷部!お前、ここ、こんなモン勝手に買いやがって……!!」
やはり怒りを露わにする審神者に、ようやく自らの選択が間違っていた事に長谷部は気付いた。
「これは、主の、ご所望の物ではなかったと……。」
「しょもうである訳ねーじゃん!こんなの俺使わねーし!いや、ちょっと興味持った事はあるけど…」
「主、申し訳御座いません……かくなる上は…。」
長谷部はその場に胡座をかいて座ると、すらりと刀を抜いて自らの腹へ切っ先を向けた。
「…………主の居ない寂しさのあまり…出過ぎたことを致しました。狼藉を働いたこの長谷部、切腹をもって主にお許しを願います。」
「はっっっ???あの、長谷部?何してんの、え、止めろって!」
突然の長谷部の命の危機に、慌てて審神者は長谷部の刀を蹴り飛ばした。(国宝だとか言ってる場合ではない)
「ッ…主……………どうか……お許しを………」
その行動を審神者の怒り故ととったのか、長谷部の瞳から大粒の涙がしたたり落ちた。
「うわっ……長谷部、泣くなよ、大袈裟だな…。返品すりゃ大丈夫だし……って、あれ?パッケージは??」
「ぱっけ……??」
「これ包んでた袋は?」
「全て圧し切ってしまいました。」
「だな。………あ――――ッ!もう!!俺のごせんえん!!!!!」
頭を抱えて叫ぶ審神者に、やはり間違ったことをしてしまったのだと長谷部は俯いた。下を向いたせいでまた両の目に溜まった涙がはらはらとカソックに落ち、点々と深い紫が染みた。
「…まだ泣いてんの?もう、いいって…。寂しかったんだろ?長谷部…」
すんすんと鼻をすすりながら頷く長谷部の頭を、審神者がぽんぽんと撫でると、いくらか長谷部も落ち着いたようだ。
「……………で、何でローション減ってるのかな?てか何でこんなモンを長谷部が注文しちゃったのか、詳しく。長谷部。」
「、はい……主………その………。」

長谷部の語ったエネマグラを手に入れるいきさつに、審神者はまた頭を抱えていた。
「で???長谷部は潮吹き出来るようになったの…?」
「はい、主。俺の、潮吹き……お見せしましょうか?」
さらっとそんな事を言ってのける近侍に、どこで人としての教育を間違ったのかと審神者は少しだけ後悔した。しかし興奮度の方が勝ったので、この際突っ込まないことにした。
「おう、お願いします。(俺、ゲイじゃないんだけどな…。)」
「はい……では………主、俺の部屋に……。」
長谷部が立ち上がって、隣の部屋へ繋がる障子を開けた。そこは確か長谷部の部屋だ。
「え?」
まだ昼過ぎだというのに、部屋には布団が敷かれている。その横には水の入った手桶に、手拭いのセット。
「主がご帰還なされたら、俺がこれを使いこなすところを是非見て欲しかったのです。」
箱から例のエネマグラを持ち出した長谷部は、さあ、と審神者を自分の部屋へと招き入れた。
「……長谷部がこんなシモの事に積極的だったとはなぁ…」
「ふふ、主がそうさせたのですよ…?俺といる時に、あんな淫猥なものばかり見て……ね、主。」
ペットは飼い主に似るとよくいうが、物も持ち主に似るのだろうか。ましてや、憑喪神が。
審神者がぼんやりとそう思っていると、長谷部は身につけていたカソックを脱ぎ、後ろ手でカマーバンドを外し始めていた。
「あ、シャツと靴下と手袋は脱がずに残しておいてくれ。オプションで。」
「はい、主……」
にこりとした長谷部の顔が、以前よりも色を孕んで、艶めいた笑みになっているのを審神者は感じた。嗚呼、と審神者が嘆きの声を上げる。
「長谷部の処女はこんなモンに奪われちまったんだからな…。」
「主、俺は女では……」
「うるせぇ、ケツマンコにこれ入れたんだろ!じゃあ中古なんだよ!」
「は、はい……長谷部の、ケ…?ケツまんこは中古になってしまいました……。」
「おっ、いいぞ長谷部。その調子でケツマンにエネマグラ突っ込んでるとこ早く見せてみろ。」
自分の言動で審神者に興が乗っていることを感じ取った長谷部は、次第にいつもの調子を取り戻していった。
「お任せ下さい……最良の結果を、主に。」
「あのなぁ、お前が潮吹くだけなら、俺は気持ち良くも何ともねーの。分かる?」
「は、では…俺で良ければ、主にご奉仕させて下さいませ…。」
「もっと具体的に言って。」
「………主の男根を、俺に下さい……。」
「三十点かな…。俺のパソコンで研究したんじゃなかったのか?」
「あ、主のおちんぽ様を、この長谷部の中古メス穴におハメ下さいませ…?」
「うんっ、合格!やっぱり離れてもへしかわ!だなっ!!」

「ンッ…んむっ……!?…主……?」
長谷部は審神者の股座に顔を埋め、反り返る一物を愛おしげに頬張っていた。お世辞にも上手いとは言えないが、一生懸命奉仕しようとしていることは分かる。
「お前、そんなに俺の事好きだったんだ。これまで気付いてやれなくてゴメンな。」
「ッ……主!主!そうです…はせっ…はせべは、ずっと、主に初めてお会いした時からァッ…!!主に懸想して参りましたぁぁ!!!」
「けそう?って??」
「好き、好きと、いうことです、主のことがッ…!アッ、アッ、しゅきれす…主、らいすき…!!」
「もうトんでるのか、長谷部?やっぱりすごいんだな、これ…」
「ひんんんんっ!?抜き差ししないでぇっ…主、まだ、ですぅっ…!!」
審神者が長谷部の内に入っているエネマグラの持ち手を戯れに足で引っ掛けて上下させると、長谷部は甘い悲鳴を上げた。それを面白がる審神者の目に、枕元の綿棒が留まる。
「あ、これ。こんなモンも持ち出して遊んでたのか?長谷部?」
「す、すみません…んッ!あるじ…!い、入れて下さい…?」
それを聞いた審神者はにんまりと笑いながら、綿棒を一本抜き取ると長谷部の身体の中心で濡れそぼっているペニスの先端へあてがった。
「エネマグラで尻穴開発だけじゃなくて、まさか尿道までほじっちゃってたとはなぁ…」
「え…?ち、違いますッ!それは、尻にッ…!」
「そう?まあでもこんなに細いんだから大丈夫大丈夫。じゃあ勝手に取ったお仕置きってことで、なっ」
恐怖に身体を強張らせた長谷部に構わず、審神者は綿棒の先っぽを長谷部の尿道へ差し込んだ。
「ひぎっ!!!ヒィィッ!!!!いっだ…!!!ありゅ、じ!ぃ、いだい、いだいれすっ、やだあぁっ!!!!」
「ほーらジッとしてろよー。これで長谷部のおちんぽ穴の処女は頂きだなっ!」
小さな穴に無理矢理押し入った綿棒が、ズプズプと埋められていく。審神者の言う通り出血こそしなかったが、激しい痛みで長谷部の肉茎は一気に萎んでしまった。
「あらら、しぼんじゃったか…。」
「ふえっ…ぐすっ……主……酷い、れすぅっ……」
「うん。まあまあ、でも初めての時は痛みは付き物だからなっ!」
しかし長谷部はまたグズグズと鼻をすすりながら泣いているようだった。いつもの勝ち気な釣り眉は下がってしまい、端正な顔には鼻水が垂れている始末で、見る影もない。
「しゃーないな…。じゃあ詫びにこっちに俺のチンコ入れてやるよ。」
「えっ?」
「男は初めてだから上手く出来るか分からないけどなっ」
初めはそんなつもりは無かったのだが、長谷部の機嫌をとるために審神者はやけくそでそう宣言してしまった。
「う…嬉しいです…主……。俺は、主の、初めての男ですか…?」
「ああ、そうだぜ。だから…上手くいくようにしてくれよな、長谷部。」
「はいっ…!…お任せ下さい、主…?すぐに、広げますッ、ので…???」
ぶわっと一瞬で桜を舞わせた長谷部は、持ち前の高機動を活かして目にも留まらぬ速さでエネマグラを抜き取ると、ローションを垂らした指をその穴に挿入し、審神者のものを受け入れるためグチュグチュと抜き差し始める。
二本、三本と次々に指は増やされ、やがてずるりと抜き取られると、ぽっかり開いたアナルがローションに濡れてらてらと光っている様が、審神者の前に明らかになる。
「どうです…?主…。広げましたよ…?」
「お、これは…。これなら女と遜色ないし、イケるかもしれん…」
くぱくぱと蠢く内壁の赤い靡肉を見ながら、審神者は舌舐めずりする。
「そうですかっ、主ッ、主のおちんぽ様をこの長谷部の卑しいメス穴にっ!お納め下さいませぇッ!!!」
「お前…どこでそんな言葉覚えて来たんだよっ!ソソるじゃねーかぁ!!」
その勢いのままに、審神者はバキバキに筋を浮かせた一物を長谷部のアナルに突き立てた。
「ああああっ!!!!あ、あるじっ!!ありゅじの、きたぁぁっ!!!おちんぽ、あちゅいれすうぅぅっ!!!!!」
「オラオラオラ!!!長谷部ぇっ!!!!お前の前立腺はここか?ここか?ほら、突いてやるから教えろッ!」
ペニスの全てを長谷部の肛内に収めた審神者が、長谷部の細い腰を打ち付けるように抽送を激しくする。エネマグラより太いそれに擦られる感覚に堪らず、長谷部が喘ぐ。
「ヒィィッ!?そこ、しょこですッ!!アッ!アッ!アッ!…!しゅごいッ!当たってましゅうぅ!!」
「俺がもっと前立腺で気持ち良くしてメスイキ極めさせてやる、長谷部!!」
「はぃぃィイッ!!あるじっ、アァッ!!めしゅイき!?めしゅイキしちゃう!!ありゅじのおちんぽではしぇべはめしゅになっちゃうぅぅぅ!!!!!!」
その声にあてられて、審神者の怒張は長谷部の中で一気に膨らんだ。
「オラッ!!!種付けるぞっ!!!俺の子を孕め長谷部!!!!!」
「ああああああ!!!!!孕みましゅっ!主のやや子、孕ましぇてぇえ!!!ありゅじィイッ!!!!!!」
ドピュドピュと審神者の精子が長谷部の腹の中に叩きつけられる。それを感じた長谷部も同時に達した。
念願だった潮吹きを審神者に披露しながら……。



後日、この本丸の審神者が政府から呼び出される始末になった事は言うまでもない。




すみませんでした(逃)