Sに見せかけて紳士的なヒーニアスと、忠臣の皮を被ったドSなゼトによる頭ゆるくて流されやすいエフラムサンド(3P)な話。
小スカ(潮吹き)、淫語、ハート喘ぎ多めの、今にもよだれが出そうな小咄ですぜ、へへへ。

「頼もう!」

 ばん! と勢いよく自室の扉が開かれると同時に響いた大声に驚き、ソファに深く腰掛け独りワインを傾けながら眠りにつこうとしていたヒーニアスは、そちらへ視線をやった。
 扉の真正面に、戦支度を決め込んだエフラムが仁王立ちしている。
「お、お前……! 一体、今何時だと思っているんだ?」
「ヒーニアス!! 貴様と決着をつけに来たぞ!! さあ、いざ尋常に勝負しろ!!」
(全く聞いていないな……)
 すでに夜は更け、皆が寝静まる時刻である。
 こんな時間に大声を張り上げたなら、フレリア城内の兵士らが敵襲と勘違いして騒ぎ立てるかも知れん、と、ヒーニアスの眉間に皺が寄る。
 だが、騒動の元がこの破天荒王子の声だという事で、幸い誰も駆けつけて来る様子はなかった。
(我が城ながらこいつの性分をよく分かっているな……ほとほと呆れるしかない事実だが)
 そんなヒーニアスの思惑そっちのけで、出撃時と同じ戦装束に緋色の外套をひらりと靡かせたエフラムは、愛槍レギンレイヴを構えたまま部屋の中へずかずかと踏み入ってきた。
「……誰が私の部屋に入っていいと言った?」
「そんなこと、俺が決めることだろう」
 エフラムの自己中心さ加減に、眉間の皺を更に深くせざるを得ない。
(ああ、いかんな……こいつにまともな対応をしていたら胃に穴が開く)
 ヒーニアスは、あくまでも至極冷静に続けた。
「……で、何の用だと?」
 どうせ碌でもない事由には違いないが、興味はあった。こんな夜中にわざわざ会いに来るとは、戦いしか頭にないような奴にしてはいささか大胆な行動である。
「ヒーニアス、貴様、俺と勝負をしたいんだろう?」
「……何?」
「それに何だその気の抜けた格好は。貴様の言う通りわざわざここまで出向いてやったんだぞ?」
「……? 言っていることの訳が分からないが?」
 一瞬そちらの方の手合わせを期待したというのに、エフラムの返事からは色気どころか疑問に疑問を重ねる回答が返ってきて、ヒーニアスは頭を捻る。なぜ、何のために、しかもこんな夜中に、フレリア王宮の自室でエフラムと勝負をせねばならないのか。
「おい、何が分からないだ。お前、今朝俺に、『夜半過ぎに〝槍〟で決闘を申し込む』と書置きを寄越しただろう?」
「何だと?」
 エフラムの放った意外な一言に、ヒーニアスははたと顔を上げた。今の今まで寝間着でワイン片手に寛いでいたヒーニアスにとって、もちろんエフラムの言う様な書置きをした覚えはないし、第一、弓使いである自分がエフラムに槍での勝負を申し込むような真似をするはずがない。
「まったく、さっきから何を言っているんだお前は。私はそんな約束をした覚えはない。それに、お前と槍の勝負など……」
(槍?)
 妙にその事が引っかかった。
(まさか……)
 ヒーニアスの脳裏に、謎の書置きの意図が見え隠れする。
「お前こそ何を言っている? ゼトがお前からの書置きだと言って寄越したのだから、間違いないだろう」
 怪訝な顔で言い放ったエフラムの言葉に、ヒーニアスは確信した。
(そうか……ゼトか。くく、あいつもこの男の従者にしては大した食わせ物だな)
 勝負を理由にすれば、この戦馬鹿で色気のないエフラムを簡単にベッドルームへ誘い込めるといった算段なのだろう。
「ああ、すまない……確かに俺はお前に槍の勝負を申し込んだようだ」
「ふん、平和続きでボケたんじゃないのか貴様? 俺に槍で
 勝負を挑むなど、無謀にも程があるな」
 言うが早いか、エフラムはレギンレイヴの切っ先をヒーニアスに向けた。それをヒーニアスは手で制す。
「その槍ではない」
「?」
「呆けているのはお前だ、エフラム。こんな夜中に槍を使う勝負といえば、その槍を使用するのではないということなどすぐに分かりそうなものだろう」
 クッ、クッと嘲笑を浮かべてヒーニアスはエフラムにそう告げてやる。対するエフラムは、合点がいかない様子でその場に立ちすくんでいた。
「……どういうことだ? 説明しろ」
「ああ、ここでは勝負出来ないな。奥の寝室に移動せねばな」
「……?」
 まだエフラムは首をひねっている。
 こういうことにエフラムがやたら疎いのも、また乙なことだとヒーニアスはほくそ笑んだ。
「では、俺について寝室に来るなら教えてやろう」
 ヒーニアスは飲みかけのワイングラスを机に置き、さっさと奥の寝室へ向かった。
「ヒーニアス、待て!」
 真相を究明したいエフラムも、もちろん後に続いて来る。全くもって見え透いた誘導に、やはり純粋なエフラムは容易にかかったようだ。

(作戦はほぼ成功のようだな、ゼト将軍)
 
 
「それで、どういうことだ? この長槍と異なる種類の槍で勝負するのか?」
「待て、獲物を置いてここへ来てからだ……ついでにその仰々しい外套と鎧も外すことだ」
 先にベッドに腰掛けていたヒーニアスは、その隣を指して言った。
 渋々エフラムもそこに腰掛ける。
「さっきから言う通りにしているだろう。早く説明しろ」
「だから……私は先程から貴様に山ほどヒントを出してやっているだろう。夜に、二人で、槍を使って、寝室でする勝負だ」
 ここまで言って分からなければ、いわゆる生娘の思考以下だとヒーニアスは少し心配になる。
「………まさか」
「気付いたか、書置きの意図が」
 エフラムの顔を覗き込むと、ようやくこれから行うつもりの勝負の内容を察したのか、みるみる頬が紅潮していった。
「~~~こ、断る、そんな勝負は……」
「何を言っている、お前からやりたいと言って乗り込んで来たんだろう。今さら辞退するとは、ルネスの王子もそれだけの器の持ち主だったようだな」
「! 何だと!!」
 あえてエフラムの矜持を焚きつけるような言葉をかけるのも、計算ずくだ。
「そこまで言うなら、俺も男だ。受けて立ってやる」
「ほう」
 持ち前の負けず嫌いな気性にもよるのだろうが、エフラムはあっさりと承諾してしまった。
「ルールはお前が決めていいぞ。どうせ俺は負けやしないからな」
(しかし、よくもここまで俺に憎まれ口を叩けるな、こいつは……)
「フン……後で後悔するなよ」
 しかしそれでこそ、鳴かせがいがあるというのも事実。
「簡単だ。お前と俺と、先に吐精した方の負け……これでいいだろう」
「ああ、分かった。」
 これから行うことから鑑みても、やけに不自然で色気のない会話だとヒーニアスも思うが、乗り気でないというなら嘘になる。
 エフラムが久しぶりにここフレリアへ訪れたというのに、二人はまだ一度も身体を合わせていなかった。この仕組まれた勝負が、そろそろヒーニアスの方から動こうと思っていた矢先の事だったのも事実だ。
「よし、では手始めに服を脱……」
「そんな手間は要らん!」
「!!」
 意外にもエフラムは服を脱がせようと伸ばされたヒーニアスの手を反対につかみ取ると、ヒーニアスを押し倒すべく体重をかけてきた。
 だがそこはヒーニアスも負けじと力を込める。
 結局、じりじりと二人はベッドの端から後退し、上の柵に突き当たった。壁を背に座るヒーニアスの足の間に、エフラムが乗りかかるような格好になる。
「貴様、今日はやけに積極的だな」
「当然だ、これは勝負だからな。いつもとは訳が違う」
「そうか、これでもか?」
「っ!!」
 突然ヒーニアスの空いていた右手がエフラムの身体の中心をズボンの上から捉えた。もぞもぞと動かされるその手の感触に、動揺したエフラムの力がわずかに抜ける。
「どうした? 最初の威勢の良さはどこへ行った?」
「っ、くそ……」
 エフラムもヒーニアスのモノを探ろうと手を伸ばすが、ヒーニアスの足と残った左手で阻まれて上手くいかない。
「あ……っ、止めろ、変な手付きで動かすなっ」
「俺もフレリア王子としてお前との勝負に負ける訳にはいかないからな。今日はお前の言う事はきいてやらん」
「く……ッ」
 布地の中で最初は柔らかかったものが、刺激を受けて次第に硬さを持ち始める。
「フン、もう膨らんできたのが分かるぞ。この分だと勝負がつくのも早いだろうな」
「おいっ、手を離……っあ!」
 巧みな手の動きに翻弄され、エフラムの顔に再び赤みが指してきた。悪態をついてはいるが、下肢にじわじわと甘い感覚が広がってくるため、まともに力が入らないのだろう。
 エフラムの抵抗が弱まったところで、ヒーニアスは更に下履きの中へ手を滑り込ませた。ヒーニアスの手にエフラムの猛る肉棒が捉えられる。
「! あっ……!」
「うん? もう湿っているな」
 赤く充血した先端に指を沿わせると、先走りを絡めてヌルヌルと割れ目に沿って滑らせる。
「んんっ……!」
 突然与えられた直接的な強い刺激に、思わずエフラムはヒーニアスの肩にしがみ付いた。
 それを見て気をよくしたヒーニアスが、更にエフラムの肉棒を扱き立てる。わざと水音を響かせるようにして。
「どうだ、感じるだろう?」
「っ……く……!……誰が……お前の手など、に……」
 そう言い放つエフラムだが、既に息を荒くして全身を熱くした姿では、ヒーニアスの目には強がっているようにしか映らない。そこがまた、たまらなく愛らしい。
「くく、大概にしないと身体に悪いぞ、エフラム」
「ハッ、あ……くそっ……!」
 何とか身を捩ってヒーニアスの手を振り解こうとするが、どうしても快楽には打ち勝てない。体勢を保とうと、両手でヒーニアスの肩に必死でつかまるのが精一杯だった。
 エフラムが抵抗出来ないのを良いことに、ヒーニアスはエフラムの着込まれた着衣を脱がしていく。空いた右手で器用に太いベルトを外し、上首の前会わせを広げてシャツを捲り上げると、しっとりと汗ばんだエフラムの胸板が眼前に露出した。
「あっ!……止めろっ」
「ここも硬くしてるのか?」
「んっ!!」
 エフラムの両胸に赤く色づいている乳首をヒーニアスがつま むと、エフラムは眉根を寄せて呻いた。
「お前はここをいじられるのも好きだったな、そういえば……」
「ううっ……はぁっ……❤……触る、な………!」
「嘘だな、ならどうしてこんなに張り詰めているんだ、ここは」
 硬くしこった突起を弄ぶように摘まんだり指の平で軽く拝し 潰し、その後、優しく撫で上げる。
「あ、あぁ……っ❤」
 ぞわりとした甘い感覚にエフラムは背筋をしならせると、ついにヒーニアスの肩口へと寄り掛かる。
「どうした? 最初の意気は何処へ行った?」
 耳の側で囁かれた低い声に、エフラムの背筋がゾクゾクと震える。
「あっ、あ、……❤ ……くっ、う……」
 このままでは駄目だと思いつつも、ヒーニアスの指先から伝わる快感のせいで、その思考も容易く押し流されていってしまう。
 その時、不意に背後で扉の開く音がした。
 
「失礼します」
 聞き覚えのある声に驚いたエフラムは、紅潮した顔のままに後ろを振り向く。
そこには――
「ゼト!?」
「何だ、お前も来たのか」
「ええ。槍試合の見学に」
「っ、違っ……これは……」
 しれっと答えるゼトに、慌ててエフラムはヒーニアスから離れようとした。だが雄根をがっちりとヒーニアスに握られているせいで、動くにも動けない。
 もぞもぞと肩を揺らして抜け出そうとするエフラムに気づいたヒーニアスは、そうはさせまいとその手の中のものを再び扱き始めた。
「あっ!……っあ❤ や、やめろヒーニアス! ゼトが見て……ッ❤」
 クチュクチュと水昔が響き、エフラムは顔を火照らせる。きっとゼトは自分がヒーニアスと行っていたことに気付いてしまっただろう。
「……その分だと、まだ勝負はついていないようですね」
「ああ……こいつも結構しぶといらしい」
 やけに冷静に交わされる二人のやり取りに、エフラムは疑問を覚えた。
「なぜ、ゼトが知って……?」
「フン、まだ気づかないのか? これは全てあいつが計画した策略だということに」
 まさか、とエフラムはゼトを見やる。
「その通りですよ、エフラム様」
 にっこりと微笑むゼトを前に、エフラムは思わず言葉を失った。
「……ところで、私もこの試合に参加させて頂いて宜しいでしょうか、ヒーニアス王子」
「……ああ。但し俺側に着くのならな」
「分かっています」
 そう言うとゼトはエフラムに近づき、後方に突き出されていた腰に手を添える。
「な、ひ、卑怯だぞっ……」
「……ふむ、確かにな。それではハンデでもやるとするか」
 するとヒーニアスは片手で前をくつろげて自らの勃起したものを取り出すと、それをエフラムのものに擦り付けた。
「……うわっ!」
「さあ、これでお前も反撃出来るんじゃないか?」
「っ……」
 困惑したエフラムは眼下に現れた肉棒を見てしばらく呆然としていた。確かにヒーニアスのと自らのものを擦り会わせることで刺激を与える事は可能である。しかしそれをすれば間違いなく自分にも快感が襲いかかるのと、何よりゼトの前でそんな行為を行うことへの羞恥があったからだ。
「勝負では無かったのか? それとも、放棄する気か?」
「ううっ……くそ……!」
 エフラムはぐっと唇を食いしばると、覚悟を決めて自らのモノをヒーニアスのペニスに擦り付けるようにして腰を動かし始めた。
「んっ……❤ んんっ、んっ……❤」
 僅かな水昔と共に甘い痺れが腰を駆け上がる。雁首の括れがヒーニアスの肉に引っかかる度にエフラムは切なげに声を漏らした。
「はあ……はあ……❤」
「くッ………なかなか上手いじゃないか……」
「……っ……❤ お前に、俺が、負けるはずが無、っ❤……から、な……❤」
「フン、そうか……ならば……」
 ヒーニアスがエフラムから視線を外す。
「ゼト、お前も見ていないで加勢しろ」
「ええ……あまりにもエフラム様の腰の動きがいやらしいので、押さえておくのを忘れてしまいました」
「っ!」
 その言葉でエフラムはゼトが背後に控えたままであったことを思い出し、差恥に身を焦がした。
「エフラム様のはしたない部分がもっと良く見えるよう……
 加勢しましょう」
 するとゼトは、エフラムの脚にまとわりついていたままだったズボンを、下着ごとずり下げた。
「!! なっ……!」
 突然、下半身を外気に晒され、エフラムは身を固くする。
 背後のゼトの視界には上着の裾から覗く白くすべらかな双丘と、勃起して蜜にまみれたエフラムのそれが露わになっていた。
「あっ、嫌だ、見るな……!」
 顔を真っ赤にして、エフラムはゼトに訴える。
 しかしそれを後目に、今度はヒーニアスの手が前からエフラムの露出した尻に伸び、ぴっちりと閉じていた肉を左右に割り開いた。
「っ!! ヒーニアスっ!?」
 当然、エフラムの奥まった部分も何もかもがゼトに丸見えになる。
「今日はお前が後ろを弄ってやれ。俺は前。このゲームを提案したことへの褒美だ」
「仰せの通りに」
 するとゼトはエフラムのヒクヒクと蠢く赤い蕾に顔を寄せると、おもむろに舌を伸ばした。
「ひァっ……!?」
 尻の粘膜に生暖かいものを感じ、思わずエフラムがのけぞる。
 軟体生物のようなゼトの舌が、ぴちゃぴちゃと昔をさせながら襞を舐っていく。
「うあっ、やっ、止め……! そんなところっ、舐め、るな……アッ○」
 しかしゼトは慌てふためくエフラムに構わず、褒の一本一本までを味わい尽くすように舌を動かしている。
「あっ……❤ あ……アッ……❤❤………ン❤」
 生ぬるい快感にエフラムは小さな喘ぎを漏らしはじめる。止まってしまっていた腰が、ゼトの愛撫に応えるかのように僅かに振れた。
「っ……」
 と、その様子を見たヒーニアスは屹立したままのエフラムのそれを自分のものと一括りにつかむと、上下に扱き始めた。
「ふあっ! 熱ッ……お、前らッ……❤ 同時に、する、なァッ❤❤❤」
 まるで電撃が走ったような刺激に、思わずエフラムは叫んだ。
 しかし聞く耳を持たないヒーニアスの手は、エフラムと自らの肉棒をぴったり擦り合わせ、そのたびに部屋に濡れた卑猥な音が響いた。
「あぁっ、やっ! あ❤激し……❤❤❤ はぁっ、ア……❤❤」
「どうした? ……感じてるんだろう? いつものようにもっと甘い声を聞かせてくれ……」
「あっ……❤ ハァ、ハァ……くンっ……❤ あ、声、嫌だ……❤」
 激しい快感に腰から下の力が抜けていくが、がっちりと腰を捉えているゼトの舌も離れることなく秘部を舐め続けている。加えて前から加わる刺激で、エフラムはガクガクと半身を痙攣させた。
「アッ、アッ………❤ もっ………❤❤」
(駄目だ……っ)
 前後からの激しい責めに耐えきれず、エフラムはついに蟠る熱を放出しかけた。だがその直前で、脈動する根元をゼトの手で強く締め付けられてしまう。
「っっ!! アッ!!」
 熱を塞き止められる苦しさでエフラムは眉根をひそめた。
「ゼト?」
「まだ、ですよ。エフラム様に私からのハンデです」
「っや………!」
 問を置かず、ゼトの唾液で解された後孔に指が挿入される。濡れたそこは易々とゼトの指を飲み込んでいった。
「うあっ❤ あっ、指、ぃっ❤ ア……!」
 十分に湿ったそこは、あっという間に二本を中に招き入れた。
 ぐちぐちと昔がするほどに内壁を擦られ、エフラムの脳裏に白い閃光が散る。
「ほら、ここでしょう……? 気持ち良いところは」
「あぁぅ……!! ハァ、アっ❤ んぁ、ア……っ❤!」
 主君の身体の勝手知ったるゼトは、確実にエフラムの感じるポイントを突き、責め立てる。エフラムの口から、涎が一筋流れ落ちた。
「だらしないな」
「ぅあ……❤」
 その滴を舐め取るようにヒーニアスはエフラムの顎に舌を這わせ、そのまま唇を奪った。
「っん……! ぅぅ……!! ふぅっ、ぅっ……❤……」
 ヒーニアスと激しく舌を絡めながら、背後のゼトに根元を握られたままの陰茎を扱かれ、エフラムは苦しげに坤く。
 既に限界を迎えているはずの快楽を受けてなお、解放を許されないことで身体は一層敏感に刺激を伝えるようになっていた。
「ンっ❤ ン、ア、ハァッ、ハァ…❤❤……」
「……よし、そろそろ入れてやるか」
「そうですね」
「! ア、アァアアッ―――!!❤❤❤」
 一気に中の指を引き抜かれ、エフラムは叫びと共にビクビクと身体を痙攣させた。
 指の入っていた部分はぽっかりと広がったままで、うごめく内壁が唾液で濡れたピンクの襞とも相まって、何とも卑猥だった。
「ッア、くあぁ❤ アァ……❤ アァア……❤❤……」
「出さずともイってるんじゃないのか? ここを触ると直ぐに分かるぞ」
 そう言ってヒーニアスはエフラムの張りつめた袋を膝で小突く。固く上がったその中身に振動がダイレクトに伝わるため、中身を吐き出したい欲は高まる一方だ。
「どうやら、先ほどから達したままの状態になっているみたいですね」
 ゼトの言う通り、先ほどからエフラムは下半身がどろどろに溶けそうな程の快楽に苛まれていた。
 熱の解放を戒められているせいで、それを延々と味わっているのだ。
 息をこれ以上ないほど荒くし、小さく痙攣を繰り返すエフラムは、ゼトやヒーニアスに少々触れられるだけで全身が泡立つような快感に襲われるようになっていた。
 それを認めた二人は、満足げに目配せする。
「どうだ? もういい加減根を上げたらどうだ?」
「アッ…… ア………❤ や………嫌、だ……」
 耳元で唾かれる声にすら、エフラムは大げさにびくりと身体を震わせる。しかしエフラムは、首を縦に降ろうとしない。
「強情め……」
「早く楽になりたくないのですか? ここも、こんなに張り詰めているのに……」
「くはっ、あ………❤……や、ううっ……❤……」
 ゼトの手で睾丸を揺すられ、エフラムが苦悶する。
 しばらくは耐えていたが、流石のエフラムも、もう限界だった。
 これ以上焦らされれば頭がおかしくなりそうだと感じ、エフラムはついにその言葉を口にする。
「………も……、もう………ゆるし……て………ッ……❤……くれ……」
 そのエフラムの言葉に、ヒーニアスはくすりと笑みを浮かべて答える。
「っ……!! やっ、ああぁああっ―――!!❤❤❤」
 見計らったかのように、ずぷりとゼトの怒張したものがエフラムの後孔を貫き、一気に奥まで突き入った。
 解放を信じていたエフラムにとって、その衝撃はまるで頭の先まで貫かれるかのように激しく全身を駆け巡る。
「ああっ―――っ!❤❤ やあっ、っ、ねが……も、……アァッ❤❤」
「ふふ……エフラム様の中、とても熱い……」
 ゼトは引き攣りながらも収縮し、さらに奥へと引き込もうとする粘膜を満足げに味わっていた。
「締まりも良さそうだな……こちらの具合も良いが、なっ!」
 ヒーニアスも再び自分の竿とエフラムの竿を一緒に扱き上げる。
「いやだっ……何……もう、ゆる……してっ、て、いッ……!」
「まだまだ、勝負は続いているんですよ? エフラム様」
「ひ、や、もっ………無、むり………ッ!……アアァ……❤❤❤」
 出し入れを繰り返すごとに、エフラムの中はゼトのものを激しく締め付ける。その感触を、ゼトは思う存分味わっていた。
「く………では、そろそろ出しますよ………」
「!?」
「俺も、もう……な」
 あっさりとそう言い放った二人に、エフラムは焦りを隠せない。
「な、やあッ、ずっ……ずる、いッ!!❤❤❤ァ、俺もっ……!!」
「くっ」
「………っ」
 間髪いれず、自分を前後から責め立てている二本の肉棒が膨脹するのを感じる。
「やっ、あぁ、あぁああっ―――――❤❤❤❤❤」
 突然のことに、エフラムは両目を見開き固まっていた。
 エフラムそっちのけで、二人は思う存分白濁を注ぎ込み、あるいは肌に飛ばしかけていく。その熱い滾りをエフラムはただ黙って受け取るしかない。
「ふぁ……! 熱ぃ……❤……あう……っ……❤」
 未だびくびくと脈打つ陰茎に熱い白濁が飛び散ったことで、まるでエフラム自身が粗相したかのような風にも見て取れる。感じるその熱に、自分一人だけ置いて行かれたかのような辛さをまざまざと認識せざるを得なくなったエフラムは、ついにしゃくり上げながら懇願を始めた。
「ッ……あ、先、イくな……っ、❤……俺……おれ、イッて…な……❤❤かはッ、……出し、たぃッ――ー❤❤❤」
「ん、いいぞ、エフラム……ゼト、解放してやってくれ」
「………いいえ」
「!! ひぁ……!? 激しッ❤ も、こす、の❤❤❤ や、ぁああ―――❤❤❤❤」
 突然ゼトがエフラムの陰茎を激しく扱き始めた。追い討ちをかけるかのような、あまりに強い刺激に、エフラムは甘い悲鳴を上げる。
「ゼト? もう十分だろう!」
「いいえ……エフラム様には、もっと気持ち良い思いをさせてあげないと。私たちが先にイった分まで……」
 そう言ってゼトは、エフラムの一番敏感な先端部分を親指の腹で強く擦り上げた。
「ひぁアアアアァァ❤❤❤ アッ……❤❤❤……はぐっ………!!」
「ゼト!!」
「うぁ……❤ も、っ、アッ❤❤❤イくっ、イクぅ❤❤❤ああぁアアッ―――――!!❤❤❤❤❤」
 ヒーニアスがゼトに叫ぶのと、エフラムが白濁を噴出させるのはほぼ同時だった。
「ア……❤❤❤ かは、ッ………!❤ イッてる❤❤ おれ、イッて……❤❤ァアア……アアッ……ア……❤❤❤」
 耐えに耐えた末の放出感に、エフラムの目の前は真っ白になる。ドロドロと押し出されるように白濁液は流れ落ち、ゼトの手を汚す。
 やっと迎えた絶頂にエフラムの口角はだらしなく弛み、恍悦に浸っていた。ヒーニアスにはそれがひどく淫猥に映る。
「あ………❤❤❤……く、アゥ……❤……ゥ……く……❤❤❤……」
 耐えに耐えた射精は長く続き、白濁が噴出する度にエフラムが細く呻く。生理的に溢れた涙が幾筋も頬に伝った跡が見え、強すぎる快感のせいで射精を終えてもなおペニスは上を向いたままひくひくと震えていた。
「こんなに沢山出して……きれいにしてあげましょうか」
 するとゼトは右手の親指と人差し指で輪を作り、それで陰茎を根元から先端まで扱き上げた。
「はぁっ……❤❤❤ ア――――っ❤❤❤!!」
 これ以上ないくらい敏感な状態のそこを扱かれ、痛みに近い刺激がエフラムの全身を支配した。尿道に残っていた精液が押し出されて、糸を引きながらぽたりとシーツに落ちる。
「つぅ………っ……❤」
 そのとき、再び尿道に熱いものが込み上げた。力の抜け落ちた状態のエフラムはそれを堪えることも出来ず、次の瞬間それは先端から流れ出ていた。ゼトの手に、暖かい液体がパタパタと落ちる。
「ア……❤ ……れる、アァッ…………❤❤❤」
「おや」
「エ、エフラム!?」
 二人が目を見張った時には、零れ落ちる透明な液体は飛沫を光らせ、断続的な放物線を描いていた。水流がベッドを叩く昔を立て始めたことで、エフラムが粗相してしまったことが二人にとっても明らかになる。
「……あ……❤ ふぁ……❤❤❤……ア……❤……」
 エフラムの溜め息のような呼吸に合わせ、ベッドに敷かれた白いシーツに遠慮なく落ちる飛沫がみるみる濡れた染みを広げていく。
「おっと、いけませんね」
 エフラムの背中を抱えていたゼトは、慌ててエフラムのはだけた上着を脱がせると、その奔流が溢れ出している中心へあてがった。
「……ああ………❤❤❤……ぁ、ぁ……❤❤……」
 ジュウ、と更に放出の勢いを増した事を伝える音と共に、上着がじわじわと濡れていく。
「な、ゼト、一体……」
「こうしないと、ベッドに王子の粗相の後が残ってしまいますからね。」
「っ……確かに、そうだ、が……。」
「さあ、エフラム様……ここに遠慮なく出して下さい。」
 そう言ってゼトは上着を手で丸め込み、それごとエフラムの性器をしっかりと抑え込んだ。
「ふぁぁっ……❤❤ ア……❤あっ…………!❤❤❤」
 上着に覆われた局部が飛沫を受けて熱くなり、じわじわと染み込んでいく感触にエフラムは身を震わせた。
「だ、だが、それは…」
 エフラムの上着は、濡れて水色から濃い青色に変色してしまっている。一体何を着せて帰すつもりかと、ヒーニアスはゼトを視線で問い詰める。
 それをゼトは察知したかのごとく、直ぐに替えを持って来ますから、と言って微笑んだ。
 
「ッ……ん……」
 潮の放出を終えたエフラムは憔悴しきった顔で身体をベッドに横たえていた。
「………すまん」
 ゼトは汚れた上着を始末した後、桶に湯を用意してエフラムの身を清めるためにタオルを絞っていた。 「………貸せ、俺がやる」
「いえ、王子のお手を煩わせる訳には……」
「いいから、貸せ」
 半ば強引にヒーニアスはゼトからタオルを奪い取ると、そろそろとエフラムの膝に手をかける。
 その途端、怯えたようにびくりとエフラムの身体が震えた。
「さわ……っ! ……な………」
「……、だが、このままにしておくわけにもいかんだろう」
「………ふん……」
 明らかにムスッとした態度のエフラムだったが、それ以上抵抗を見せる気はないらしく、ヒーニアスにされるがままになっていた。
「……すまない……加減が過ぎたな?」
「別に気にしていない。……それに、勝負は俺の勝ち、だしな」
「何?」
 はたと、ヒーニアスは手を止める。
「俺はお前たちより長く耐えたんだからな。俺の勝ちだ」
 言われてみれば結果的にそうではあるが、何となくヒーニアスは腑に落ちないものを感じた。
「だが……『余計なものまで出していた』な」「ようですが」
 ヒーニアスの言葉に被さるように響いたゼトの言葉に、エフラムがうろたえる。うむ、その通りだとヒーニアスはゼトに賛同した。
「っ……! それでも、勝ちは勝ちだっ! それに、そんなルールはなかった筈だし……何より……」
 小さな子どものようにぷうっと膨れて、ぶつぶつ怒り出すエフラムに、ヒーニアスは堪えきれずクスッと笑みを漏らした。
「……何だ、俺の言い分の何がおかしい」
「いや……可愛い奴だと思ってな」
「っ?」
「全くですね」
 にこにこと笑みを浮かべる二人に困惑しつつ、エフラムは叫んだ。
「と……とにかく! 俺が勝ったんだから、二人ともこれからは俺の言うことにはちゃんと従え! いいな!」
「フッ……」
「いつでも従いましょう……あなたは私達にとって大事な王子なのですから……」
「―――……わ、わかれば、いい」
 ゼトとヒーニアスに優しく抱かれ、頭を撫でられたエフラムは、ぷうっと膨らませていた頬を緩めると二人に身を委ねた。
 
END    


後書
  かわいいエフラムを書こうと思ったらこんなことになりました。
精神年齢幼めBOYな王子を翻弄する王子&従者~~~!
3Pと言いつつヒーニアスは二輪刺しとかにチャレンジすることなくゼトに譲ってて紳士だな。この後いっぱいラブラブセックスした。うん。
 元は2006年にWEBに乗せてたものですが、書き直すにあたり調子に乗って❤を付け過ぎた気がしないでもない。内容は変わってませんのでお許しを。
 
 20151004 聖魔の光石プチオンリー記念
 20210822 さらに加筆訂正
 超超刻印の誇りエアブーにてWEB再録