★お題
『肝試し・怪談からエッチ雪崩れ込み』+『受けからキス』

※BADEND、近親相姦、洗脳
※ラブ要素皆無、暴力表現あり
※メリバ好きで、何でも許せる方のみ読んでください!(ミレトス辺りの設定はうろ覚えでガバガバです)


セリス軍が駐留して間もないここミレトス市――かつてはグランベル皇国のお膝元で、海運業の発展により栄華を極めていた商業地は、今や続く戦火によって焼け出され、見る影もない――という様子だったのが、訪れた解放軍の面々に衝撃を与えた。
かつて繁栄していたはずの賑やかな市場はゴーストタウンと化し、昼でも物乞いと盗賊が蔓延りまともに歩けたものではなく。解放軍の駐留するこの砦すら、さしずめ荒らされた幽霊屋敷といった様相であった。
所々に風穴の空いた外壁や割れて散乱した窓ガラスは何とか片付けたが、破れたカーテンが申し訳程度に引かれた部屋ばかりの室内と荒れた石床の回廊、そして夜になれば灯りもなく真っ暗になるこの砦は不気味さの塊であった。

「まるでお化け屋敷ね。セリス様もそう思わない?」
いつもは勝ち気であまり周囲の様子に頓着しないラクチェですらそう言うのだから、解放軍の若い面々全てがこの砦から何か不穏なものを感じていた。

「そうそう……やっぱり夜になると、出るらしいよ」
「え~っ、こわい!やめてよリーン!」
食堂から部屋に帰る道すがら、少女たちが噂話を持ち出して騒いでいる。
「いざとなったらアレスが助けてくれるわ、それに幽霊なんて真実味ないわ、ただの噂よ噂」
「噂?へぇ、どんな?」
「なんでも血のように赤い髪の……お化けが」
「いやー!やめて!!シャナン様~っ!!」
パティが怯えて叫ぶのを、どうした、大丈夫か!?と兄であるファバルが宥めている。
そんな様子を、後ろを歩いていたシャナンとオイフェ、セリスも当然目の当たりにしていた。
「……幽霊か……。ただの噂話ではあれば良いが」
「セリス様、念のためお気をつけください。この屋敷には夜盗の類い、狼藉者が潜んでいる可能性が無いとは言い切れません」
皆も、必ず数人でまとまって寝ること、一人は寝ずの番を立てておくこと、とオイフェが釘を刺す。

「幽霊、か……。ユリア……」
セリスは、数日前から忽然と姿を消してしまったユリアのことを思って気が気では無かった。レヴィンの元に行っていれば良かったのだが、伝令によるとそうではなく、本当に失踪してしまったのだという事実を受け入れられないでいた。
(もう少し……僕がちゃんとしていれば)
暗い顔のセリスを慰めるのは幼なじみであるラナだった。大丈夫です、きっとすぐに見つかるはずです、と告げてくれる彼女の優しさに、セリスは感謝していた。
「では――あと半刻ほどで消灯だ。皆、しっかり休むように」

◆◆◆

暗い闇の中、この砦の持ち主であった者――今は亡き――の館の寝室のベッドの上で、セリスはもう何度目か分からない寝返りをうった。
とっぷりと更けた夜の闇に目が慣れて、大きな天蓋の装飾のひとつひとつを無意味に数えて、けれどもセリスに眠りが訪れる気配はなかった。
(こんなことではいけない……僕は……)
出兵の日は三日後に迫っている。明日も朝から軍議と実戦に備えた剣の訓練。近隣の城へ和平と降伏を求める書状の作成――。
皇国への侵攻を前に、やるべきことは山積みだった。

カタン――カタン――

ふと、窓枠が開くような音がしたのをセリスは聞き逃さなかった。

カタン――

(誰か……入ってきたのか?)

咄嗟に枕元に置いてあった父の形見である銀の剣を携え、セリスはベッドを降り立った。この部屋には窓がないため、続きのクローゼットルーム、もしくは書斎の方から聞こえたのだろう。
手始めにクローゼットの引戸を開けてみたが、そもそもその部屋の窓は高いところにあり、やや赤みを帯びた細い月が浮かぶ小窓はきちんと閉まっていた。ならば。
(こっちかな……)
書斎の方へ改めて向き直り、腰布に挿した剣の束に手を掛けながら、そうっと重い木製扉を身体で押し開ける。ギィ……とドアの蝶番が軋む音が寝室に響いた。
「!!」
破れて床に垂れ下がった赤いビロードのカーテンが、何故か夜風に揺れている。間違いない、誰かが窓から入ってきたのだ。しかもそのカーテンの揺らめきの陰に微かに暗い人影が見えた気がして、セリスは眼を見開いた。
――この部屋に誰かが居る。夜盗か、あるいは家を失い寝床を求めて侵入した者ならまだ良いが……。とにかく放置してはおけないと、セリスはその物陰に向かって、声をかけた。
「……そこに誰か居るんですか? 居るなら、出てきてください」
返答はない。最初の物音から少し時間が経っていたので、侵入者はもう部屋の構造を把握して隠れてしまっているのかもしれない。一人ではなく、複数人かもしれないと部屋の隅々まで目を凝らすが、やはり赤いカーテンの奥に見える陰以外それらしき姿は見当たらなかった。
(こうなったら……行くしかない)
バッ、とセリスは書斎の扉を完全に身体で押し開けると、そのカーテンの前まで走った。剣を抜き、視界を遮っていたその分厚い布の真ん中を剣の腹で払い除ける。
そこに居たのは――

「――――!!?」
「やあ、義兄さん」

にっこりと、その少年――燃えるような赤い髪をした――がセリスを見て微笑む。
「君……は……?」
突然現れた少年。よくよく見れば金の豪奢な装飾のされた長い黒のローブを纏っている。まるでどこかの王子のような佇まいに、セリスは面食らった。どこかの子息……例えばここの砦の持ち主の……だろうか?
「はじめましてかな?見覚えがあるだろう?この顔に」
セリスの葛藤などお構いなしに、少年はつかつかとセリスに近づくと今にも唇が触れそうなほどセリスへ顔を近付けて見せた。
「そう――義兄さんの、良く知っている顔――だよ」
その突拍子もない言葉にグッと胸を締め付けられる心地がしたが、セリスは彼の顔から目が離せなかった。似ているのだ……ユリアに。いや……もっと懐かしい存在を思い出す……。それは……
「き、君は……一体、何者なん」
セリスが言い終わる前に、少年はセリスの顎をわし掴んで強引にキスをした。
「っ!!」
ぞくり、と言い知れぬ寒気がその触れた唇を伝ってセリスの中に流れ込んでくる。必死で手の中の剣を少年に向けて降ろうとしたが、まるで力が入らず、ついにカシャンと銀の刃はセリスの手から滑り落ちてしまった。
(これは――駄目だ――!このままじゃ――!!)
「助けを呼ぶつもりかい?もう遅いよ、暫く僕と遊んでもらうから」
「ぅあ……、ぁ……」
彼の言う通り、セリスはもうまともに声を上げることが出来なかった。唇が離れた瞬間、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちたセリスの寝衣を、少年は遠慮無く剥ぎ取っていく。
「っ………!!」
冷たい夜風に素肌が曝され、セリスは震えた。少年の手は薄青のガウンをはだけさせ、腰布を長い爪で引きちぎるように剥ぐと簡単に下肢を覆うズボンを下着ごと床まで下げてしまった。
「ふうん……僕とあまり変わらないね」
かあっ、と冷たくなったはずの頬を他人に裸を見られた羞恥で赤くしたセリスの反応を楽しむように、少年は戯れにセリスの下生えを引っ張ったり、雄の部分をつまみ上げたりした。物心ついてから誰かにそこをそんな風に触られた事など無いセリスにとって、恐怖と怒りが混ざった感情がぐちゃぐちゃになって湧き上がる。
「やめ………止めるんだ………!!」
「どうして?楽しいだろう?義兄さん」
「にい……さん?僕には弟なんて……お、おとうと………!?」
まさか、とセリスはもう一度その少年を見る。真っ直ぐに伸びた赤い髪、赤い瞳――どれも自らが持ち合わせていない色なのに、その形が……。
「……ユ……、、ユリ……ウス……?」
「そうだよ。――やっと名前を呼んでくれたね、セリス」
「ああっ!?」
「これで呪いがかけられる。兄さんを僕の操り人形にするための――、ね」
フフ、と悪戯な笑みを浮かべてユリウス――セリスの種違いの義弟――は、セリスの蒼瞳の前に手を翳した。
「義兄さんは、夜が明けるまで僕の慰み物になってもらう」
「――――ぁ、」
――シャナン、オイフェ、と叫んだはずの口から声が出ることは無かった。どんなに何かを叫ぼうとしても、カハッ、と喉から空気の抜ける音がするだけだった。
目の前にどろどろとした闇の霧が纏わり付いてくる。
(嫌だ――!父上、母上――――……)
ひたすらに寒気がして、闇の中に光る白い素肌がガクガクと震えはじめる。身体の中にその闇が染み込んでくる感覚と共に、意識が遠退いていく。
「セリス、じゃあ――僕にキスしてよ」
ユリウスの言葉に、床にへたり込んでいたセリスがふらふらと立ち上がり、ユリウスの顔へ口を寄せる――薄い唇が触れそうになったところで、ユリウスはセリスの頬をピシャリと打った。
「誰が皇子である僕の唇を許すと言った?逆賊の息子風情が、僕の靴の先で十分だろう?ほら、謝って」
「……ハイ――ユリウス……サマ」
ユリウスのその言葉通り、セリスは膝を折ると床に手を付き、頭を下げた。いわゆる土下座の姿勢で、セリスはユリウスの革のブーツの先へ唇を這わせた。
「フフッ……ハハッ!愉快な格好だなセリス、うん、それでいい」
「アリガトウゴザイマス……」
「夜が明けるまで、僕が義兄さんを立派な性奴隷にしてあげる――。朝になれば頭では僕のことは忘れるだろうけど、身体にはしっかり憶え込ませてあげるよ――これから、毎晩……」
そう、皇国に来る頃には僕無しじゃ居られないぐらいにね――と、ユリウスは微笑みながらセリスの頭をブーツで踏みつけた。長い髪がぐしゃりと乱れ、床に網目のように広がる。
「分かった?セリス」
「――――ハイ……」
青い髪の隙間からユリウスを見上げる瞳は、血のように真っ赤に染まり、闇夜に光っていた。


後書
ユリウス×セリスの性奴隷洗脳END、あると思います!!!!!
(最低オタクここに極まれり)
とにかくセリスを虐げたくなっちゃう性なの……ごめんね